社長から係長まで13人が「イクボス宣言」! 将来は「自分の子どもを入社させたい」会社に

適材適所で女性がイキイキ働く職場

株式会社ナプロアースは、廃車・事故車の引取り・買取りからリサイクルパーツの生産・販売などの事業を展開している総合自動車リサイクル業者です。平成23年まで浪江町に本社がありましたが、東日本大震災で被災し、平成24年に伊達市の新社屋で再スタートしました。平成30年２月現在、正社員43人のうち１割が女性で、10人ほどいるパート従業員のほとんども女性です。電話対応や各種手続きなどの事務部署の他に、自ら希望して解体の現場でイキイキと働いている女性もいます。
平成29年には、社長以下係長以上の責任者13人が「イクボス」を宣言。早く帰宅して「仕事以外の時間も充実させよう」と、残業時間の削減に向けて真剣に取り組み始めました。

目標設定と日々の積み重ねで残業削減

残業を減らすために、まずは各職場で作業時間の基準値を決めて「今日はここまで完了させる」と目標を設定することにしました。さらに作業動線の短縮や効率的な方法の共有化を積み重ねていくことで、少しずつ週単位・月単位での作業時間が短縮できるようになり、残業時間が半減しました。現在は月平均の残業時間は10時間程度です。「終わるまで帰らない」から「この時間までに終わらせよう」と職員全員の意識が変わったことで、大きな成果が出たのだと思います。

会社では帰宅後の時間を有効に使うために、資格取得を推奨しています。特に危険物取扱の資格は全職員の取得が目標です。「家で資格取得のために勉強する親の姿に影響され、子どもが勉強に励むようになった」という声も社員から聞こえてきます。

多様な働き方ができる制度を柔軟に

平成30年１月には「福島県ワーク・ライフ・バランス男女共同参画大賞」を受賞しました。女性の育児休業取得率が100％であることに加え、男性の育児休業取得者もいること、また男女の区別なく、各種研修会への参加や資格取得を促進していること等が評価されました。今年度は、出産や介護を理由に退職した従業員を再雇用する制度や、フルタイムが難しい場合に雇用形態をパートに変更し、その後、フルタイムに戻ることができる制度も新設しました。今後も柔軟な発想で個人のライフスタイルやライフステージに応じた多様な働き方ができる制度改革を進めていく予定です。

人と地域が「より良くなる」ことを目指して

当社の社長は従業員に、「自分の子どもを入社させたい会社」「仕事も遊びも一生懸命な会社」「取引先や地域、そして同僚にも優しい感謝できる会社」にしていこうと呼びかけています。積極的に「次世代育成支援」に取り組んでいくのも、当社に関わる全ての人と地域が「より良くなっていく」ことを目指してのことです。地域のお祭り的なイベントとして毎年開催している「ナプロリサイクルまつり」などを通して、多くの人に当社の考え方や取り組みをＰＲしていきたいと思います。

（2018年2月取材）