interview

インタビュー記事

Workers

ママになって見えてきた視点を店づくりに生かす

石井 菜美(いしい なみ)さん

一般社団法人Stand for mothers(スタンド・フォー・マザーズ)

1989年生まれ。「暮らしづくりビレッジ」カフェでベーグルの製造・販売を担当し現在は育休中。製菓専門学校を卒業後、菓子店や飲食業で経験を積み、2018年までは個人事業主をしていた。

「もう一度誰かと一緒に働きたい」と思っていた

2018年に「暮らしづくりビレッジ」のイベントでアイシングクッキーの講師として呼んでもらった時に、カフェの求人が貼ってあるのを見つけて、その場で「働きたい」と申し出ました。当時は個人事業主で「もう一度誰かと一緒に働きたい」と思っていました。Stand for mothers(スタンド・フォー・マザーズ)の事業が面白そうだなと思う一方、お客さまの視点でカフェを見ると、いくつも改善すべき点がありました。そこで、そうした改善点と改善策を代表の田中さんに伝えて働き始めました。

採用はパートタイムですが、運営に関わるようになると勤務時間が長くなり、社会保険への加入を掛け合ったり、条件を整備してもらっているうちに、妊娠がわかり、田中さんが法人として初めて産休・育休を取ることを提案してくれたので、取得することにしました。

社会から取り残されてしまうような育休中の気持ち

妊娠中、つわりがひどかった時は、同僚が「大事をとって帰ってもいいよ」と気遣ってくれて、早退させてもらいながら乗り切りました。新しく雇用されたフルタイムスタッフに引き継ぎをしたのが産前6週。仕事と家庭の両立については、体調が悪い時はいさぎよく家事を諦めて手をつけずに、夫に頼むこともありました。夫は料理が得意で、食事を作ってくれたり、お弁当も自分で詰めて仕事にいくような「自立した人」なので、出産後も助かっています。

育休中に年子で二人目を授かりました。下の子を出産後、生後3ヵ月になったら二人とも保育園に入れて周りの人の助けを借りながら仕事復帰する予定です。

子どもは本当にかわいくて、もちろん育児も楽しいのですが、24時間一緒にいると社会から取り残されたような気持ちになってしまうのも事実です。特にコロナ禍で外出できなかった頃には、子どもがぐずると、家の中にずっといなければならないのが大変でした。子どもと少し離れる時間があると「さらに愛しさが増すね」と、他のお母さんたちとも話しています。

働いて収入を得ることで自信が付くから

高校生の頃、私の作ったお菓子を食べた友達が笑顔になってくれたのが、私の仕事の原点です。得意分野の仕事で必要とされることは、本当にありがたいこと。家事や育児にもやりがいはありますが、感謝されることはあっても、当然収入にはつながりません。働いて収入を得ることで、これまで自分が積み重ねてきた経験を肯定することができて自信にもつながります。

現在、10ヵ月になった子どもは、離乳食を食べるようになりました。他のお母さんから、卵や小麦アレルギーのあるお子さんの苦労が聞こえてくることもあります。職場に復帰してからは、添加物などにも今まで以上に意識しながら、おいしいベーグルを作って、笑顔を増やしていきたいと思っています。

(2020年11月取材)

基本情報

企業・団体名
一般社団法人 Stand for mothers(スタンド・フォー・マザーズ)
代表者
代表理事 田中 豪
事業内容
ママ、パパ、ファミリーのみんなが抱える社会課題の啓発・改善プロジェクトの企画・運営、「暮らしづくりベーグル&コーヒー」におけるベーグルの製造販売・コーヒー等ドリンクの提供
所在地
福島県郡山市日和田町字西中島14-1
TEL
024-955-6180
FAX
024-955-6180
URL
https://kurashivillage.jp