event

イベント記事

symposium

「ふくしま女性活躍推進シンポジウム2024」

【開催日時】 令和6年10月16日(水) 14:30~16:40 
【開催場所】 福島県男女共生センター 1F研修ホール 
【参加者数】 178名(オンライン参加を含む)

 福島県は官民一体で女性活躍を一層推進するため、「ふくしま女性活躍推進シンポジウム2024」を開催しました。

 シンポジウムは2部構成のトークセッションからなり、第1部では「誰もが福島で買輝ける環境づくり」をテーマに、第2部では「アンコンに気づけば未来が変わる」をテーマに、様々なお立場のゲストが「女性活躍社会」の実現に向けた思いを語り合いました。

-第1部-

(写真左から)
【進行】
 ◆福島県知事 内堀雅雄
【ゲストスピーカー】
 ◆株式会社ヤマダホールディングス
  代表取締役兼副社長執行役員 小暮 めぐ美さん
 ◆福島サンケン株式会社
  管理統括部総務部長 渋谷 かおりさん
 ◆株式会社キスキ
  代表取締役 来次 馨さん

福島県知事 内堀 雅雄

 無意識の思い込みに気づき、時代に合わせて価値観を柔軟に変えていくことが、女性活躍はもとより、男性も働きやすい職場環境の実現につながります。
 県庁では、男性の育児休業取得を積極的に推進した結果、十年前はわずかだった育休取得率が、今では八割を超え、取得することが当たり前となっています。
 今後も、私たち自身が令和の時代にふさわしい価値観を持つ努力を続けながら、若い世代に選ばれる職場、そして女性が活躍できる環境づくりを、一歩ずつ着実に進めていきましょう。

株式会社ヤマダホールディングス 代表取締役兼副社長執行役員 小暮 めぐ美さん

 労働人口の減少が続くなか、女性と男性が平等な立場で働ける環境を実現しなければ、企業の存続は難しい時代になりました。
 当社では、新入社員研修の内容を男女で分けず、平等に配送研修や工事研修を受講させることで、女性活躍の理解者の分母を増やしています。
また、女性向けの管理職研修に男性にも参加してもらい、ディスカッションの際に発言される女性ならではの悩みや要望を理解してもらうことで、女性の扱いに困るなどの男性の悩みの解決につなげる取り組みをしています。

福島サンケン株式会社 管理統括部 総務部部長 渋谷 かおりさん

 当社では、自分が会社に感じていること、やりたいことを話し合える対話会を実施し、意見を共有した上で、どうすれば職場環境が良くなるのかを会社や上長に提示するアクションランプを作成しています。
 そこで自分と違う意見に触れることや、自分の意見を口に出すこと、また、意見を取り入れてもらう経験を通じ、「言っても無理」「聞いてもらえない」といった考えは思い込みと気付きました。
 自分の考えが言える環境は会社に新しい流れを生み出し、生産性の向上にも繋がると考えています。

株式会社キスキ代表取締役 来次 馨さん

 当社では、男性従業員の100%育休取得を義務付けています。また、学校行事や子どもの通院、親の介護などの際は有休を使わなくても休めるようにしています。
 さらに、不妊治療休暇制度の導入や女性のための相談窓口の設置を通して、女性が働きやすい環境づくりも図っています。その結果、若い従業員の定着率が向上しました。
 小さな会社であっても、社員一人一人が働きやすさと働きがいを実感できる環境や制度づくりに取り組んでいけば、おのずと結果はついてくるはずです。

<参加者の声>

●企業の実例が聞けて参考になった。
●どのような企業も同じような悩みを抱え、その改善に取り組んでいることがわかった。
●育休取得や女性登用はさほど進んでいないと思っていたが、進んでいる企業があることを実感できて、うれしかった。

-第2部-

(写真左から)
【司会・進行】
 ◆大橋 聡子さん(福島中央テレビアナウンサー)
【ゲストスピーカー】
 ◆母心 関 あつしさん(アンバサダー)
 ◆(一社)アンコンシャスバイアス研究所
  代表理事 守屋 智敬さん
 ◆特別養護老人ホーム万葉園
  生活相談員 古小高 資さん
 ◆(一社)Spread From Fukushima
  学生副代表 栁沼 美咲さん
 ◆関根 美和さん(アンコンエピソード採用者)

(一社)アンコンシャスバイアス研究所代表理事 守屋 智敬さん

 アンコンに気づくということは、これまでの「当たり前」や「普通」が変わることにつながります。一人ひとりがいいなと思ったものや、大切にしたいと思ったものを勇気を出して伝えたときに、お互いに「それもいいね」と言える組織や社会になることでもあります。
 その一言からだけでも大きな変化に繋がっていくと思います。社会全体が変わることがもちろん目指すところではありますが、まずは、身近な人同士が、お互いに大切にしていることを受け止め、自分とは違っていても「いいね」と言い合えること。アンコンの解消はそこから始まるのだと思います。


特別養護老人ホーム万葉園 生活相談員 古小高 資さん

 長男が生まれたときには男性の育休への理解がまだ進んでおらず、育休を取得できませんでした。
 しかし、昨年4月に次男が誕生した時には「今は父親も育児に参加する時代だよ」と上司に後押ししてもらい、1か月の育休を取得しました。妻は今も「あの時は助かった」と言ってくれるので、育休を取ってよかったと心から感じています。
 職場の仲間も協力的でスムーズに職場復帰できましたし、子どもの体調不良時に休みをもらったり早退したりと柔軟な働き方をさせてもらい感謝しています。

(一社)Spread From Fukushima 学生副代表 栁沼 美咲さん

 リーダーや上のポジションに女性の方が就くことが多くなってきているようですが、学生の視点ではまだまだ男性が多いイメージがあります。
 今の価値観とは異なる、時代錯誤的な男尊女卑の考えが残っている企業がまだ多く存在するのではないかと思っています。
 給料ももちろん大事ですが、女性も男性も大いに活躍できてそれぞれが産休や育休をとりやすいこと、仕事と自分のやりたいことやビジョンが合致すること。この3点が整っている企業が、今の学生が働きたいと感じる企業だと思います。

関根 美和さん(アンコンエピソード採用者)

 以前の私は、男性は仕事を休みづらいだろう、健康診断など学校の行事には母親が行かないと子どもががっかりするだろう、などと思い込んでいました。
 しかし、夫は「2人とも働いているのだからお互い様でしょ」と言ってくれました。以来、家族みんなで相談し助け合いながら行動するようになり、以前よりずっと働きやすくなりました。
 母だから、父だからではなく、それぞれが得意なことを生かして暮らすこと。その素敵さを実感しております。

<参加者の声>

●「お茶汲みは女性の仕事」という思い込みが女性側にあると知り驚いた。
●男女で役割を分担することによって行動を隔てることはせず、臨機応援に動くことが大事だと思った。
●地域の方のエピソードは身近に感じるもので、とてもよかった。

<当日配布した「ふくしまアンコン解消アクション!早わかりハンドブック」