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イベント記事

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「キラっとふくしまシンポジウム -女性活躍2025- 」

【開催日時】 令和7年11月5日(水) 14時00分~15時15分
【会  場】 ウェディング エルティ(〒960-8055 福島市野田町1丁目10-41)
【参加者数】 196名(現地参加:101名、オンライン参加:95名)

 女性活躍に向けた機運の醸成や職場・地域における男女の意識改革を図るため、女性活躍をテーマとした標記シンポジウムを開催しました。

 シンポジウムでは森永乳業株式会社人材部DE&I推進チーム長の福地久美子さんから女性活躍の取組事例や取り組むことのメリットについてご講演いただいたほか、「若者・女性に選ばれるこれからのふくしま」をテーマとしたトークセッションでは、様々な立場の方がお考えやふくしまへの思いを語りました。

基調講演

森永乳業株式会社
人財部DE&I推進チーム長
 福地 久美子 さん

 当社の社員は約3千300人で、そのうち女性は713人です。女性にどうすれば活き活きと働いていただけるかを考えているのが、私たちのDE&I推進チームです。

2018年は当社の「ダイバーシティ(多様性)元年」で、多様性への理解を深めるための説明会などを開きました。その2年後に、女性管理職の比率を10%にする目標を掲げ、23年に私たちの前身のダイバーシティ&インクルージョン(D&I)チーム」が発足しました。

 ダイバーシティを進めるために、女性の部下を持つ上司向けの研修も開催しています。サステナビリティ中長期計画2030においても、昨年、女性管理職比率の目標値を20%以上に引き上げています。その流れの中で「エクイティ(公平性)」を加え、今年、私たちのDE&I推進チームが発足しました。

 企業がダイバーシティに取り組む背景には、第一に高齢化と人口減少が進む中で労働力不足が深刻になっていることがあります。もう一つは、時代の変化が早く、女性や外国人などの多様な観点を取り入れ、いち早くニーズをキャッチし、イノベーションにつなげることが大事だからです。

 環境、社会、組織をまとめるガバナンスを考慮したESG投資などを進めることで、企業の価値が向上します。誰もが活躍できる会社をつくることの意義は、社員のモチベーションとパフォーマンスを上げて、活力あふれた組織になるからです。

 「グループシンク(Group think)」という考え方があります。集団で合意を形成する時に、一体感や調和を重視するあまり、内部の警告や批判的意見が軽視され、非合理的で不適切な意思決定がなされてしまう危険性があります。リスク回避のためには、女性活躍をはじめとしたダイバーシティを推進し多様な観点を取り入れる必要があります。

 当社では全社員が柔軟な働き方ができるような環境整備を進めていますが、さらに女性社員の積極的な育成を進め、12年に女性リーダー研修、18年に仕事と子育ての両立支援研修を開始しました。食品メーカーの共同企画として、ロールモデルを招いた6社合同の研修を行っており、女性社員のキャリア支援セミナーにも取り組んでいます。

 性別に関係なく、みんなが活躍できる社会をつくるために、さらに多様性を重視した取り組みを進めていきたいと考えています。

トークセッション

 トークセッションでは、森永乳業DE&I推進チーム長の福地久美子さん、Felis(フェリス)代表取締役社長の熊田舞弥さん、ダイハツ福島こおりやま川向店店長の荘司由美子さん、野地組代表取締役の野地武之さん、鈴木正晃副知事が、「若者・女性に選ばれるこれからのふくしま」をテーマに意見を交換しました。

写真左から
 ○鈴木 美伸さん(司会)
 ○鈴木正晃副知事
 ○森永乳業株式会社
   人材部DE&I推進チーム長 福地 久美子さん
 ○Felis(フェリス)株式会社
   代表取締役社長 熊田 舞弥さん
 ○ダイハツ福島株式会社
   こおりやま川向店店長 荘司 由美子さん
 ○株式会社野地組
   代表取締役 野地 武之さん

講演の感想

熊田さん

 女性の活躍と家庭の両立に組織全体で取り組み、理解を深めている様子が印象的でした。ライフステジに合わせたサポート体制が整い、世代、性別に関係なく、安心できる、心強い取り組みだと感じました。

荘司さん

 女性社員がマネジメントやリーダーシップについて学びを深め、同じ悩みを共有できるのは良い取り組みだと思いました。また、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)の学びを生かすとフラットなコミュニケーションが取れ、働きやすい環境になると感じました。

野地さん

 DEI(多様性・公平性・包括性)は、社会の基本となるべき理念で、企業活動でも理解と実践が求められています。建設業も造りあげるものに一つとして同じものはありません。当社でも、さまざまな個性や価値観、知識や経験を持つ才能が集まることが、より良い仕事をする原動力となっています。

鈴木副知事

 女性リーダー研修などのキャリア支援の取り組みが印象的でした。森永乳業のように、女性管理職の比率を目標に設定することは非常に大切で、意識づけにもなります。県としても、セミナーの開催など、県内企業で働く女性を対象としたキャリアアップ支援を行っており、今後も女性の皆さんに能力を発揮していただけるような取り組みを進めていきます。

若者・女性に選ばれるこれからのふくしまについて

熊田さん

 私は東京での就職を考え、インターンシップで仕事の意義を学びましたが、そこで生活していく大変さも実感しました。大学の研究室で、地元企業の方々が面白いことや最先端のことに取り組んでいることを知りました。若者が福島県の企業に興味を持てるように、わかりやすく魅力を伝える情報発信が重要だと思います。

荘司さん

 いま求められている職場環境というのは、相談しやすい環境や趣味を大事にすること、仕事と育児の両立支援があることだと考えています。当社では小学3年までの子どもを養育するスタッフの時短勤務や介護休暇などにも対応していますが、組織全体でどのように周りのスタッフに理解を促していくかが重要になると思います。

野地さん

 当社にも県内の魅力にひかれ、本県を自分の未来を築く場所として選択している若手社員が多く、ワークライフバランスの「ライフ」の部分が大切だと考えています。「ワーク」では、社会インフラ整備に貢献できることがモチベーションになります。この二つを調和させることで人として成長し、生活の満足感も得ることができると考えています。

福地さん

 若手や女性社員はワークライフバランスの「ライフ」を非常に大切にすること、「自分らしく働く」ことを重視しています。地域で働くロールモデルの存在は、そうした価値観に応えるために重要です。魅力あふれる福島県で自分が働く姿をイメージできれば、福島に住みたい、働きたいという気持ちにつながると考えています。

鈴木副知事

 働きやすい職場環境を整備し、福島の魅力的な企業をしっかり発信することは重要ですが、受け手の立場に立った〝届く広報〞をしなければなりません。また、福島県ではどんな生活ができるのか、具体的なイメージを発信していく必要もあります。
 一方で、福島で働く意味、各職業で働く意義も重要ですので、県内で活躍される方々をロールモデルとして、若い方々に福島で働く自分の姿をイメージしてもらえるような発信をしていきたいと思います。

参加者へのメッセージ

熊田さん

 福島県は教育を受けられる機関が限られており、多くの人が進学やスキルアップのために一度県外に出て行きます。福島を離れた後も、故郷を思い出させる取り組みが必要だと思います。その実現へ向けて、情報発信やネットワークづくりに、これまで以上に力を入れていきたいと考えています。

荘司さん

 管理職になって、管理職は、自分の意見だけを一方的に伝えるのではなく、相手の言い分や周りの意見を吸収して、みんなの働きやすい方向に導いていくのが大事だと考えるようになりました。スタッフが協力し合うようにすると、今度は何か助けてあげたいという気持ちが生まれ、自然と関係性も良くなっていくと思います。

野地さん

 女性社員は、出産や子育てによる生活の変化が大きくなります。仕事が家庭や家族の負担にならないように、環境に応じた柔軟な対応を取り、長く活躍できるための教育、支援プログラムを構築することで一層のレベルアップが図られ、企業の生産性も向上し、企業価値も高まると考えています。

福地さん

 誰もがやりがいを持ち、個性や強みを発揮しながら、前向きな気持ちで働けることが、私たちの最終的なゴールです。その第一歩は「女性活躍」です。女性が活躍できれば、多彩な人材が力を発揮し、魅力的な職場になります。顧客ニーズへの対応力を高め、イノベーションの創出やリスク回避へもつながると考えています。

鈴木副知事

 企業の中で女性が活躍できる環境を整えることは、企業の成長や継続性にとって重要な要素になります。また、若い方々にさまざまな選択肢の中から、自身の働く場所や住む場所として福島県を選んでもらうためには、彼ら・彼女らの意見に耳を傾け、我々世代の意識をアップデートし、若い方々とのギャップを解消していくことが重要です。
 皆さんと共に、誰もが輝ける福島県、「若者・女性に選ばれるこれからのふくしま」をつくっていきたいと考えていますので、今後とも御協力をお願いします。

 動画  1分05秒~:知事挨拶(副知事代読)
 動画  4分15秒~:基調講演 14時00分~14時30分
 動画 32分40秒~:トークセッション 14時35分~15時15分

ブース出展

女性のキャリアや地域のつながりをテーマに、県内企業や団体等にブース出展いただきました。

(公社)土木学会DEI委員会

特別養護老人ホームさくらの里

(公社)福島県シルバー人材センター連合会

株式会社マザーソリューション

株式会社トーシン/タコシウマイの浜福