Workers
上司のひと言がきっかけで育休を取得 子育ての喜びが仕事のモチベーションに繋がっています
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佐藤 淳一(さとう じゅんいち)さん
田中建設株式会社
- 「男性も育休取れるよ。」という上司の言葉に背中を押され共働きの妻と相談。会社の相互応援体制のもと5カ月半の育休を取得。
生後間もない子どもと過ごした日々をモチベーションに自らの経験を働きやすい職場環境づくりに役立てて行きたい。
※佐藤さんは、震災のためやむなく田中建設を退社しましたが、当時の体験を語ってもらいました。
上司の言葉、職場の応援を力に5カ月半の育休に
育児休業制度を利用したのは、今から6年前になります。共働き夫婦が授かった念願の第一子。妻は、産前6週間、産後8週間の産休明けから職場に復帰すると決めていました。育児休業制度を活用しようと思ったのは、職場の上司のひと言がきっかけでした。「男性も取れるんだよ。」という言葉に心が動きました。
初めての子どもなのでずっと見ていたいという気持ちがあったのです。妻に相談すると大賛成。早速、会社に育児休業を利用したい旨を伝え、準備を始めました。というのも会社を5カ月半休むためには、その間に問題が起きないよう仕事を整理しておく必要がありました。目標は、まず担当していた仕事を納品すること。その後は、業務の引継ぎを済ませ復帰するまでの間、業務に対して大きな責任を持たなくて済むよう会社側が配慮し、相互応援体制を整えてくれました。ありがたいことでした。
少しずつ親になっていく自分を実感
南会津には3年いたのですが、その後も2〜3年ごとにある夫の転勤の度に、人とのつながりを自分で作っていかなければならないし、仕事も探しにくく人生プランが全く描けませんでした。子どもを産んだ後は、東日本大震災があり、長期間実家に戻ったこともあり、しばらくは仕事をしていなかったのですが、2番目の子どもが1歳半になったころに猛烈に仕事がしたくなりました。
実は、24時間子どもと一緒にいるのがつらくて、子どもを保育園に預けるために仕事をしたいと思ったのです。その時に、ハローワークで見つけたのが、Bridge for Fukushimaという一般社団法人の求人でした。この団体は、震災後の緊急支援から始まり、当時は復興の担い手となる若者育成のための伴走支援を始めていて、そこで出会った高校生や大学生たちは自分達で見つけた課題に対してフットワーク軽く、多くのことを実現していて、純粋にすごいなぁと思いました。4年ほど働いているうちに、彼らに大きな刺激を受けて「私自身も移住女性のために何か活動をしたいと思っている」と代表に話したところ、活動の始め方などを教えてくれました。

「育休通信」で職場復帰をサポート
「休んでいる間の給料は、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されました。月1回、会議の内容や仕事の進捗状況などを記した「育休通信」をメールで受け取っていたので、職場復帰に対する不安もありませんでした。復帰してからは、育児を経験したことでその大変さを家庭でも職場でも分かち合えるようになりました。休憩時間に子育て談義で盛り上がったこともあります。小さな娘に「もう一つの自分」を開拓してもらったように思っています。
仕事も子育ても両立させたいと願う仲間のために
その後、娘は保育園に入園。送迎も家事も妻と協力しながらやってきました。生まれたばかりの頃から一緒に過ごす時間が長かったので、私と娘との関係はとても良好。素直に育ってくれました。今でも私の腕枕で寝るほど“お父さんっ子”です。しかも今春、晴れて小学校入学ですからうれしい限りです。もし、育休取得で迷っている男性がいたら、ぜひ活用してもらいたいと思います。間違いなく子育ての喜びが仕事のモチベーションになっていきます。また、活用することで、仕事も子育ても両立させたいと願う仲間、後輩にとって育休を取得しやすい環境になっていくと思います。(2016年1月取材)
基本情報
- 企業・団体名
- 田中建設株式会社
- 代表者
- 代表取締役 木下弘行
- 事業内容
- 綜合建設業、一級建築士事務所、宅地建物取引業などの建設・建築に関わる一切の業務
- 所在地
- 〒979-1471 福島県双葉郡双葉町大字長塚字町48(現在、いわき事務所に本社機能移転)〒970-8026 いわき市 平字堂の前9番地 堂の前ビル
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