Workers
102歳、生涯現役。化粧品販売員は私が自然体でいられる仕事
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堀野 智子さん
ポーラビューティーディレクター
- 1923(大正12)年、福島県生まれ。102歳。女学校を卒業後、電電公社(現・NTT)の交換手や着物の仕立てなどを経て23歳で結婚。3人の子育ての傍ら、果樹園の手伝いや生命保険の営業を経験し、39歳でポーラ化粧品販売員に。84歳で累計売上1億円を達成。100歳で「最高齢の女性ビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定。2025年現在も現役で活動を続けている。
Q1. 化粧品販売員になったきっかけを教えてください
夫が生活費を使ってしまう人で、私が稼ぐしかなく、内職や生命保険の営業の仕事などを経験してきました。私が39歳で一番下の子どもが小学校に上がった頃、福島駅近くで友人にばったり会い、「夫がポーラの事務所を開いたから、販売員をやってみない?」と誘われたんです。私はもともとポーラの化粧品を愛用し、販売員に憧れていたので、そのまま事務所へ連れて行ってもらいました。営業用バッグや商品などを一式貸してもらい、帰宅してから夫に相談。反対するかなと思いましたが、意外にも「知り合いに売らないならやってもいい」と言ってくれたので、「飛び込んでみよう!」と化粧品販売員になることを決めました。
Q2. どうやって仕事に慣れていきましたか?また、やりがいを教えてください
まずは県営住宅を片っ端から回りました。当時はインターホンもなく、「ごめんください」と声をかけていきました。前職の生命保険の仕事で飛び込み営業に慣れていたので、その経験が生きましたね。
1960年代当時は、福島駅まで買い物に出るのも一苦労で、主婦が化粧品を買うこと自体が珍しい時代でしたので、お客様からは「化粧品を売りに来てくれてありがたい」と喜ばれました。時代も味方してくれましたね。
出かけるときは商品でいっぱいだったカバンが、ほとんど空っぽになり、帰りのバスを待ちながら喜びをかみしめていた日のことを今でも覚えています。
多くのお客様が月賦払いだったので、集金に伺い、おしゃべりしたり、定期的に顔を合わせたりするうちに友人のような関係になっていきました。運転ができなかったのですが、バスと徒歩でどこへでも通いました。熱意が伝わり、販売成績につながっていくことにやりがいを感じていました。

お客様との取引を記録した60年分のノート
Q3. 仕事への思いや長く仕事を続けてこられた秘訣を教えてください
この仕事は60年以上続けていますが、「やめよう」と思ったことは一度もありません。お客様がきれいになっていく様子を見ると嬉しくなります。私自身がポーラの化粧品が好きなので、自然体でいられて、離れられない仕事です。
お客様も歳を重ねられて、別れも増えていますが、一方で100歳を超えた今でも新しい出会いがあるのも嬉しいですね。先日も、私の本(※)を読んで私から化粧品を買いたいと、大阪からわざわざ電話で注文をくれた若い女性との出会いがありました。
また、毎年の健康診断で悪いところがないことも仕事を続ける自信につながっています。若い頃から毎日体を動かしてきたから、今も歩けているんじゃないでしょうか。「健康でなくなれば終わり」、そう思って規則正しい生活を心がけています。
(※)著書に「101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え(ダイヤモンド社)」と「102歳、今より元気に美しく(朝日新聞出版社)」がある。

人と会う約束がなくても毎日メイクは欠かさない
Q4. これからの目標を教えてください
今の仕事と生活を続けていくことが目標です。ギネス世界記録の認定は100歳のときの一度きりかと思っていましたが、もう二度も更新しています。仕事では、月に一度の社員会はとても大事なので、足を骨折して入院したとき以外は欠席したことはありません。新商品が出るたびに勉強して、情報を逃さないようにしています。これからも、仕事も生活も自分でできることは何でも自分でやっていきたいです。心おきなく、生きていけるだけ生きようと思っています。

2025年に102歳になり、「最高齢の女性ビューティーアドバイザー」のギネス世界記録を二度も更新
Q5. 福島の女性たちにメッセージをお願いします
昔は女性が働くことが当たり前ではなかったけど、今は自由に職業を選べる時代です。働ける環境にあるなら働いてみるのが良いと思います。自分のためにも、世の中のためにもなります。私もできる限り続けて、世の中に貢献していきたいと思っています。
・私を支えたコンテンツ
時代劇専門チャンネル。
91歳の時に専門チャンネルに加入しました。俳優の村上弘明さんのファンです。
・私の最初の一歩(最初に起こした具体的なアクション)
女学校卒業後、袴で出勤できることに憧れて電電公社の交換手として働き始めたこと。
「昨日の自分より少しでも上手くなりたい」という気持ちが、働く喜びを教えてくれました。
(2025年10月取材)
(インタビュアー:齋藤幸子 撮影:古関マナミ)
基本情報
所属ショップ:ポーラ 桜水ショップ
代表者:米澤法子
TEL:024-557-6196
Mail:mm12701@mail.pola.co.jp