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インタビュー記事

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「仕事か家庭か」の二択ではなく、どちらも大切にできる働き方を

堀江仁美さん(右) 林佳代子さん(左)

東双ファシリティ&サービス株式会社

堀江仁美 さん 企画総務部 総務人事グループ課長
双葉町出身、52歳。高校卒業後入社し、東京電力PR館の案内業務を行う。その後は建物設備管理、外注契約等の部門を経験し、2022年から総務部門で管理職である人事課長を担務。社会人になる双子の母。

林佳代子さん 企画総務部 総務人事グループ兼企画グループ
広野町出身、34歳。高校卒業後、建設会社で勤務。出産を機に福島へUターンし、2014年に入社。社長付、安全品質管理部を経て、現在は企画総務部で労務人事業務を担当。12才、7才の2児の母。

Q1. 2025年度福島県ワーク・ライフ・バランス男女共同参画大賞を受賞されました。女性活躍や働き方改革に取り組んだ背景を教えてください。

堀江さん:震災以降、通勤環境が大きく変わったことがきっかけです。
当社は長年大熊町に本社を構えてきましたが、東日本大震災後は広野町の仮本社で業務を行い、その後、2025年に大熊町へ戻りました。以前は近隣から通勤していた社員も、現在はいわき市や南相馬市など遠方から通うケースが増え、通勤時間の増加が負担になっています。
育児や介護を抱えながら働く社員も多く、「働き続けたいのに、家庭との両立が難しい」という状況をなくしたいと考え、社員の声を聞きながら、フレックスタイム制度や積立休暇、リモートワークなどの制度を少しずつ整えてきました。女性に限らず、誰もが安心して長く働き続けられる職場づくりが、結果として女性活躍や働き方改革につながっていると感じています。

Q2.時短勤務やフレックスタイム制度は、どのような場面で活用されていますか?また、社内に制度を浸透させるためにどんな工夫をしていますか?

堀江さん:子どもの学校行事や通院、介護など、家庭の予定に合わせて出退勤時間を調整する場面で活用されています。数時間単位で勤務時間を調整できるため、多くの社員が日常的に使っています。

以前は朝礼が8時半から行われていたことから「それまでに出社しなければならない」という雰囲気があり、実質的に制度を利用しづらい面がありました。そこで朝礼の時間を9時に見直し、朝礼への参加は自由に。その日の業務や家庭の状況、通勤スタイルに合わせてフレックスタイム制度をより気兼ねなく使えるようになりました。

柔軟な働き方を支える仕組みがあることで、「辞めずに働き続けられる」という安心感にもつながっています。結果として離職防止にもなり、会社にとっても大きなプラスになっていると感じています。

林さん:私も積極的に利用しています。子どもの習い事や通院などの予定がある日は早めに退社でき、家族との時間や家事に充てられるので助かっています。早く帰った分は別の日に残業するなど、バランスを取りながら仕事ができています。

Q3.「積立休暇制度」の内容と活用方法を教えてください。

堀江さん:通常の有給休暇は2年で失効してしまいますが、使い切れなかった有給を積み立てておける制度です。最大30日、最長5年間ストックでき、必要なときに「積立休暇」として利用できます。通院や介護など、まとまった休みや急な対応が必要な場面でも活用できるため、いざというときの備えとして安心感があります。

林さん:私は授業参観や奉仕作業といった子どもの学校行事への参加に利用しています。時間単位でも取得できるので、午後だけ早く帰りたいときにも便利です。また、子の看護等休暇を使い切ってしまった場合や、自分の体調不良で長期の休みが必要になった場合でも、積立休暇があることで「有休が足りなくなるかも」という不安がなくなり、安心して休めることが大きな支えになっています。

Q4. ポイント制の福利厚生制度「カフェテリアプラン制度」について、仕組みや特徴、実際の活用方法を教えてください。

堀江さん:会社が付与するポイントを使って、従業員一人ひとりが自分に必要なメニューを自由に選べる福利厚生制度です。旅行費用やマイカー費用、携帯電話やパソコン、医療、育児、介護、習い事、コンサートや映画など、さまざまな用途に利用できるのが特徴です。結婚式や海外旅行といった高額な出費にも使えるため、ポイントを積み立てて必要なタイミングでまとめて利用できるのもこの制度の良さです。それぞれのライフスタイルに合わせて使える、柔軟性の高い福利厚生です。

林さん:私はマイカー費用と教育補助に充てています。車検代やタイヤ代など車の維持費に使うことが多いですね。車検がない年は、子どもの習い事の月会費など教育補助として活用しています。

Q5. 仕事のやりがいはどんなところに感じていますか? また、女性が活躍できる環境づくりで工夫していることがあれば教えてください。

堀江さん:やはり一番のやりがいは、東京電力グループ企業の一員として廃炉事業を支えていることです。当社にはさまざまな職種がありますが、その一つひとつが福島の復興につながっており、廃炉に携わる方々を支える大切な仕事だと実感しています。

また、社員が長く働き続けられる環境づくりにも力を入れてきました。制度が整ったことで、「仕事か家庭か」を選ぶのではなく、どちらも大切にしながら働けるようになったと感じていますし、女性が無理なくキャリアを重ねられるようになりました。

実は、当社で女性が管理職になったのは私がはじめてです。今では3人に増えました。「みんなが働きやすい会社にしたい」という思いで続けてきたことが、女性管理職の増加という形に現れてきたと感じています。これからも安心して働ける職場づくりに取り組んでいきたいです。

Q6. 女性活躍の推進やワーク・ライフ・バランスに取り組む県内企業へのメッセージや 県内での就職を検討されている女性や若者へのメッセージをお願いします。

堀江さん:仕事も家庭も大切にしながら働ける職場づくりは、これからますます求められていくと思います。必要なのは、単に女性を優遇する制度ではなく、ライフステージの変化があっても、仕事を諦めずに続けられる環境を整えることです。

そのうえで、キャリアが途切れず正当に評価される土台をつくり、柔軟な働き方を支える制度や、能力をきちんと評価する仕組みを整えていくことが必要です。私たち自身も、会社の未来のために、時代に合わせて変化し続けていかなければならないと思っています。

また、県内での就職を検討されている方は、まず厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」や「両立支援のひろば」などを活用し、産休・育休復帰率や女性管理職比率、両立支援制度の内容などを確認してみてください。そうした情報も参考にしながら、ご自身が思い描く将来像と重ね合わせ、長く働きたいと思える企業を見つけてほしいです。

林さん:私自身、フルタイムで働く母親として家庭と仕事の両立は大変です。制度があるだけでなく実際に活用できているからこそ、仕事にしっかり向き合いながら、家族との時間も大切にできています。時間に追われすぎずに過ごせることで気持ちにも余裕が生まれ、以前より笑顔でいられる時間が増えました。

福島県内の企業も、今は働きやすい環境づくりに力を入れている会社が増えていると思います。実際に福利厚生や両立支援制度を整えている企業もたくさんあります。これから就職を考えている方には、制度の内容だけでなく、「実際に使えているかどうか」も含めて調べながら、自分に合った会社を選んでほしいです。

(2026年1月取材)
(インタビュアー:奥村サヤ  撮影:古関 マナミ)

基本情報

企業・団体名
東双ファシリティ&サービス株式会社
代表者
今井 義人
事業内容
施設・設備維持管理業務、土木・建築業務、発電所・廃炉資料館案内業務、寮・社宅・給食関連業務
所在地
福島県双葉郡大熊町大字下野上字大野116-5 CREVAおおくま3階 
TEL
0240-25-8333
FAX
URL
https://www.toso-fs.co.jp/index.html