旅好きの私だから気付く地域の魅力を花開かせ、地域の人に恩返し

紺野琴水

一凛の花株式会社 代表

神奈川県出身、26歳。専門学校卒業後、航空会社でグランドスタッフを経験。2020年11月にいわき市の中山間地区・田人町の地域おこし協力隊に着任。田人町の情報発信、古民家カフェ「HITO-TABI」のブランディングやメニュー開発、イベントの企画・運営に取り組む。2023年4月の任期終了後、一凛の花株式会社を立ち上げ、「HITO-TABI」の事業を継承。

Q1. 活動のきっかけを教えてください。

学生時代からバックパッカーをしていたほどの旅好きで、航空会社で働いていた時も、毎週どこかを旅していました。コロナの影響で在宅勤務が続き、「これは私のやりたい事なのかな」とモヤモヤする日々…。自分の可能性を試したくて、たまたまネットでヒットした田人町の地域おこし協力隊にチャレンジしました。地域の人々のおかげで自分らしく楽しんで活動できたので、任期が終わっても「町に恩返しがしたい」という気持ちから、会社を設立し、「HITO-TABI」のカフェを引き継ぎ、新たにゲストハウスもオープンさせたところです。

Q2. 活動のなかでやりがい、心がけていることを教えてください。

地域の人を巻き込みながら、田人のよさを発信して、田人に人が集まってくる活動を心がけています。カフェで提供しているランチやスイーツは、地域の食材を使い、調理も地域の方に担当してもらっています。行列ができることもあり、それを目にした地域の人が喜ぶ姿にやりがいを感じます。ゲストハウスを始める時も、地域の人にプレゼンをしたり、近所の中学生にモニターとして宿泊してもらったりしたことで、「ことちゃんのやりたいことなら!」と応援してもらえるような関係づくりをしてきました。
普段の生活でも地域の集まりに参加して、自分から積極的に声をかけていくようにしています。

Q3. 仕事と家庭はどう両立していますか?

会社を起業したタイミングで結婚しました。仕事と家庭の両立のことを夫に聞いてみたら「仕事9割、家庭1割だね」と即答されました(笑)。休日もなにかしら仕事のことを考えているので、私も両立はできてないなあと思います。でも一緒にいられる時間を大切にしたいので、早く帰れるときには夕食を作って一緒に食べています。

Q4. 今後の目標を教えてください。

いろんな地を旅した私だからこそ感じる田人の魅力や資源があります。それを活かした事業を展開し、働く場を作り、10年後も町が存続できるようにしたいです。
具体的には、お正月飾りをたきあげる「酉小屋」といった風習や、農業、食文化を体験できるワークショップなど、地域の伝統や文化を守りながら、観光客も体験できる企画を計画しています。
地域の食材を使った、地域の方のアイディアによる商品開発も視野に入れています。6次化産業で田人の魅力を全国へ発信し、沢山の笑顔を生みたいです。

Q5. 地域活動にチャレンジする女性へメッセージをお願いします。

「ない」ものにばかり目を向けていないで、「ある」ものに目を向ければ、その地の魅力が花開くはずです。その魅力を感じて田人町に来てくれる人のために、ゲストハウスをやりたい!と行動していたら、結果的に地域活動になっていました。叶えたいことのために自分自身が楽しんでいると、一緒に楽しんでくれる仲間や、サポートしてくれる人が増えていきます。手を差し伸べてくれる地域の人たちに感謝を忘れないことも大切ですね。

(2023年11月取材)

(インタビュアー:高橋 夏子  撮影:古関 マナミ)

基本情報

企業・団体名
一凛の花株式会社(古民家カフェHITO-TABI)
代表者
紺野琴水
事業内容
カフェ、ゲストハウス運営
所在地
福島県いわき市田人町黒田字唐沢35
FAX
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