4度目の転職で夢だったバスの運転手へ!男女平等の働き方で人生に新たな楽しみを見出す

柳沼知子(左) 鈴木由美子(右)

福島交通株式会社

福島本社 総務部長 鈴木由美子さん
伊達市保原町出身、福島市在住。64才。仙台電子専門学校を卒業後、昭和56年に入社。その後、システム部門を分割した株式会社福交電算システムへ出向し、オペレーションやシステム構築などの業務を行う。平成21年に出向先から戻り、福島支社の営業課や庶務課を経て、現在は総務部労務課にて給与・社会保険業務・採用を担当。

郡山支社 柳沼知子さん(女性運転手)
郡山市出身、郡山市在住。52才。昔から乗り物を運転することが好きで、新聞配達員、トラック運転手、ゴミ収集員の仕事を経て、令和2年に入社し、幼い頃からの夢だったバスの運転手に。3人の子どもは全員成人している。

Q1.女性活躍推進(働きやすい職場環境づくり等)の取組について教えてください。

弊社のバス運転手は県内に約500人おり、そのうち女性は13人です。一昔前までは完全に男性社会でしたが、近年、女性の割合も増えてきました。産休・育休、生理休暇などの一般的な制度の整備は、更衣室、休憩所、トイレはもちろんのこと、制服・制帽を女性専用のものを用意するなど、女性が男性と同じ条件で働ける環境を整えています。バス運転手になるため大型2種免許を取得する方には、誰でも会社からの費用補助が受けられます。女性運転手からは「男女平等で気を遣われなくて楽」「生理休暇も取りやすい」という声が聞かれます。
(鈴木)

Q2.バスの運転手を目指したきっかけを教えてください

きっかけは幼少期のバスでの思い出です。運賃箱にお金を入れてバスを降りる時、運転手さんが私の顔をまっすぐ見て「どうもありがとう」と笑顔で言ってくれました。一人の人間として接してもらえたことが嬉しく、「私もあのような運転手さんになりたい」と憧れるようになりました。しかし、私が就職する頃はバスの運転手はほとんど男性のみという業界でした。私は運転が大好きで、これまでも運転に関わる仕事をしてきましたが、子育てが一段落したタイミングで女性でもバスの運転手に応募できると知り、最後のキャリアとして憧れだったバスの運転手を目指すことにしました。(柳沼)

Q3.バスの運転手をやっていて良かったことはありますか?

現在は入社4年目で、東京や新潟、仙台などを往復する高速バスの長距離運転手をしています。東京の大都会の景色や、新潟の雪景色、また時間帯によって日の出や夕日、満天の星空など、見たことがない光景を目の当たりにして感動します。休憩時間には、その土地の名物を食べたり、祭りを見たり、観光地を訪ねたりできるので、それも楽しみです。
他にも、海外のお客様と身振り手振りで対話したりと、まさか50才を過ぎてこんなに刺激的な毎日を過ごせるとは思いませんでした。(柳沼)

Q4.仕事と家庭は両立できていますか?

両親と同居しています。バスは365日営業しているため、休みは不規則。勤務体系が早番・中番・遅番とあり、週によって割合が変わります。最初は変動的な勤務体系に慣れることに苦労しましたが、今は早番・遅番勤務の隙間時間に帰宅して、買い物や炊事、洗濯などを済ませられるよう工夫し、家庭と両立できています。おかげで時間の使い方がうまくなりました。(柳沼)

Q5.今後の目標を教えてください。

先輩の姿を見て、バスに関わる女性がさらに増えていってほしいです。現在も免許取得中の女性がいるので、その方の活躍が楽しみです。バスの整備をする車両課には女性が一人もいないので、そちらでも女性が活躍してくれたら嬉しいですね。(鈴木)

ベテラン中のベテランしか担当できないスクールバスの運転手になりたいです。かわいいお客さんたちを乗せたら毎日楽しいだろうなぁと憧れます。
また、弊社には旅行を扱う部署があるのですが、その旅行パンフレットを見ていて、世界を旅したいと思うようになりました。この会社に入らなければ生まれなかった人生の目標ができました。(柳沼)

Q6.これから女性活躍推進に取り組む企業、運転手を目指す女性へメッセージをお願いします。

まず女性社員の受け入れ態勢を整えてみてはいかがでしょうか。最初の1人目が入ってくれば、後に続く女性のハードルも下がっていくと思います。弊社の女性運転手たちは、男性社会に新しい風を吹き込んでくれる存在です。(鈴木)

入社当初から皆さん気さくに接してくれ、想像以上に歓迎してもらえて安心しました。残業や休日も男女関係なく平等に声をかけてもらえて、私にとっては働きやすい職場です。最初はバスの運転手になること自体が目的でしたが、実際に運転手になると新たな目標が出てきてやりがいに変わってきました。運転が好きな方には是非チャレンジしてもらいたいです。(柳沼)

(2024年8月取材)

(インタビュアー:齋藤 幸子  撮影:古関 マナミ)

基本情報

企業・団体名
福島交通株式会社
代表者
代表取締役社長 武藤 泰典
事業内容
自動車運送事業、鉄道事業等
所在地
福島県福島市東浜町7-8
FAX
024-531-6683