自分の輝ける場所を探して農業に挑戦。花を通して福島県の魅力を伝えたい

菊地沙奈

株式会社hinataba -ヒナタバ-

矢吹町出身、32歳。
英語教育に力を入れている中学校へ進学。ボランティア活動で海外の人と交流し、中国へ興味をもったことから高校卒業後、中国の大学へ進学。日本の大学に編入し卒業後、2015年にUターンし、金融機関に就職。語学力を生かし、海外進出をする企業のサポート業務を担当。2019年に南相馬市小高で株式会社hinatabaを立ち上げ、花の栽培と販売をスタート。

Q1. 南相馬市小高区で、花き農家兼花屋をはじめたきっかけを教えてください。

語学力を生かせる仕事にはそれなりにやりがいを感じていましたが、やりたいことはこれなのかなと悩んでいました。人のサポートをするのではなく、自分が何かをやって活躍したいという気持ちがあったからです。そんな時、同じ職場で働いていた夫が私より先に退職し、昭和村でカスミソウの栽培を始めていました。結婚を機に一緒にやってみようという気持ちで私も農業の世界に飛び込みました。

しかし、積雪の多い昭和村では冬の時期に栽培ができないため、通年で花の栽培ができる場所を探していました。そんな時、小高のこの土地を人づてに紹介してもらったのです。小高は通年栽培が可能な地域ですし、直売所だった建物や倉庫もそのまま引き継ぐことができました。ここに巡り会えたのは幸運だったなと思います。

Q2.新規就農者として大変だったこと、苦労したことはありますか?

苦労だと感じたことはあまりありませんが、夏場の作業など、体力的に大変だなと感じることはあります。カスミソウは一気に咲くので、収穫は時間と体力の勝負です。花をかつぎながら収穫するので、とても重いのです。

また、新規就農だったため市場の方との信頼関係を築くのが大変でした。5年経ち、品質のいい花を安定して出荷できるようになってきて、信頼を得られてきたと思います。

Q3.仕事と家庭は両立できていますか?

自分で時間を組み立てられるのでワークライフバランスは保たれていると感じています。農業は休みなく黙々と働いているというイメージをもつ方も多いかと思いますが、普通の会社と同じように週休2日で、就業時間も決めて働いています。

休日は家族で旅行に行ったり、カフェに行ったりしています。 休みのおかげでメリハリがついてまた仕事を頑張ろうと思えます。

Q4. 今後の目標を教えてください。

最近は徐々にhinatabaの花を仕入れたいと指名していただけるようになってきました。お客様に継続的に買ってもらうために、安定的に品質の良い花を作っていきたいです。また、出荷できない花のロスもなくすことにも取り組みたいです。

将来的には自分の作った花を輸出したいです。これまでのキャリアで身に着けた語学力を生かし、花を通して福島県の魅力を海外に伝えていきたいです。

Q5. 新規就農を目指す女性や新たな分野にチャレンジする女性へメッセージをお願いします。

今は農業でも女性が活躍できる時代になってきました。農業は「泥臭い、日焼けするしきつい」といったイメージがあるかもしれませんが、今はそんなことはありません。

自分が育てた花を買って喜んでくれている人を見たとき、自分はこんなに素敵な仕事をしているんだと誇りに思いました。目の前で人が喜ぶ姿を見られる仕事ってなかなかないと思うんです。

やらない後悔よりやった後悔。やりたいことはやった方がいいと思います。新規就農したい人に、ぜひ一緒にやりましょうと言いたいです。

(2024年6月取材)

(インタビュアー:堀井 優美  撮影:古関 マナミ)

基本情報

企業・団体名
株式会社hinataba -ヒナタバ-
代表者
菊地沙奈
事業内容
花の栽培・販売
所在地
福島県南相馬市小高区南鳩原台畑128
TEL
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